取扱上の注意
製品を取り扱うときの注意事項についてご案内します。
一般的な化学的特性
常温では白色結晶質固体(モノメリックMDI)または黄褐色の液体(ポリメリックMDI、変性MDI、特殊MDI)で、可燃性ですが常温では燃えにくく、水と反応してCO₂を発生します。
保存方法
- 混合すると危険な物質とは隔離しなければならず(酸、アルコール、アミン、塩基、酸化剤などと激しく反応)、有害化学物質管理法上は有毒物質に分類されているため、これに準ずる施設および管理をしなければなりません。
- また、モノメリックMDI以外の MDI製品はすべて消防法上第4類第4石油類に指定されているため、これに準ずる施設および管理をしなければなりません。
保存条件 | |
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モノメリックMDI | ステンレス製タンクに窒素封止した状態で重合を防止するために40~45℃に維持する。(凍結保存する場合は-20℃で保存) |
ポリメリックMDI | 乾燥していて換気の良い5~35℃の場所に保管する。 |
特殊MDI | 乾燥していて換気の良い20~35℃の場所に保管する。 |
変性MDI | ステンレス製タンクに窒素封止した状態で重合を防止するために25~35℃に維持する。200℃以上で自己反応によりカルボジイミドとCO2を生成して二量化が起こり、20℃以下ではMDI結晶に固化する場合がある。 |
人体への影響と取扱上の注意
- 呼吸器への影響
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許容濃度を超過すると涙が出たり喉が痛くなったりして呼吸困難や頭痛などを感じる場合があり、敏感な人にはアレルギー症状が出る場合もあります。
許容濃度を超過する場所で取り扱う際は、当社MSDSで勧奨する呼吸器用保護具を着用するようにしてください。
- 目への影響
- 目に液状のMDIが入ると、涙と反応して失明などの大きな危険につながるおそれがありますので、必ず保護メガネを着用してください。
- 皮膚への影響
- 皮膚が敏感な人にはアレルギー性皮膚炎を引き起こすおそれがありますので、必ずゴム手袋などの不浸透性保護具を着用してください。
爆発・火災時の対処方法
- 火災時の消火に使用できるのは粉末消火剤、二酸化炭素、散水、泡沫消火剤などで、容器は爆発のおそれがあるため身の危険がなければ容器を火災現場から遠ざけます。
- MDIは燃焼すると熱分解によって有毒なシアン化水素の蒸気や炭素・窒素酸化物が発生するため、風が背後から吹く位置に立って対処しなければなりません。
区分 | 危険物・毒物該当有無 | 関連製品 | |
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毒物 | 危険物 | ||
PH系 | MDI-PH | ||
CR系 | M-100、M-200、M-400など | ||
MODI 系 | LK、LL、LT、MC系など | ||
ANILINE | |||
HCL(35%) |
毒物関連根拠 : 国立環境研究院告示第1998–22号
毒物(MDI–PH)成分を25%以上含む製品は毒物に該当